【ネタバレ】渡邊安理に首ったけな女子が急増した『トリツカレ男』っ!! [トリツカレ男2012]
「ロミオボス」と並んでど派手な衣裳の、渡邊安理が演じるインコの「ニーナ」。
終演後にロビーにいると、「安理ちゃんカワイかったーっ!!」とか「あんなインコならウチでも飼いたい」とか、男性よりもむしろ女性から言われます。
初演でもこのインコは可愛かったんですが、今回はダンスシーンのニーナがこれまた可愛くて、体重が無いかのような、飛び回っているかのような、素敵な動きを見せてくれます。
そうなんです、演技の可愛さもあるんですが、動きがいちいち可愛くて、目がそっちに行っちゃうんです。
ほら、動物と子供は、どんな名演技にも勝てない、と言うような感じで。
初日が開けてから、日を追うごとに星野さんとのタッグプレーも磨きがかかり、可愛い+可愛いでチョーカワイーっ!!って感じです。
そんなインコが観られるのもあと5ステージ。
DVDになった時にはおそらく、隅っこの方でこそこそやってるインコの仕草は収録されないと思います。
是非ナマで、あなたの目と心にこのインコの可愛さを焼き付けてくださいっ!!
ラストランの大阪公演、月曜日ならまだまだ大丈夫っ!!
http://www.caramelbox.com/stage/toritsukare2012/ticketinfo/index.html
ニーナ ブロマイド……ちゃう、待受画像っ!!
(……という設定)
【ネタバレ】阿部丈二トリオ、サイコーだぜぃっ!! [トリツカレ男2012]
今回、なんと言っても、僕がもし役者だったら絶対にやりたい役があります。
それは、阿部丈二演じるロミオ。ギャングのボスです。
ロミオがダメだったらやりたいのが、筒井俊作演じるセルジオ。ギャングの片腕です。
セルジオもダメだったらやりたいのが、小多田直樹演じるアントニオ。ギャングの用心棒です。
……と思うほど、丈二率いるギャングたちが本当に楽しいんです。
東京公演の時に、一度だけウチの長女・みうたん(5才)を劇場に連れて来て、楽屋でモニターを見つつ絵本を読んだりしていたのですが、ギャングたちのシーンはじーっと画面を見つめて「きゃはっ」と笑ったりしておりまして。幼稚園児にも楽しさが伝わるというのは凄いことだなぁ、と。
なんというのでしょう、スタジオジブリのアニメになりそうなんですよね、この作品。
主人公の二人が、「天空の城ラピュタ」のシータとパズーみたい。で、ギャングたちは「ルパン三世カリオストロの城」のルパンたちみたいな。
そんなヤツらを、伊東和則さんの舞台写真でお届けいたします。
【ネタバレ】西川浩幸の魔力。 [トリツカレ男2012]
昨年4月に、「左前頭葉皮質梗塞」で入院し、「ろれつが回らない」状態になった西川浩幸。
http://caramelbox-kato.blog.so-net.ne.jp/2011-04-22
まだリハビリ中の状態で、『流星ワゴン』で舞台に復帰。脳梗塞に詳しい方からは「奇跡の復活」と言われましたが、まだつっかかることがあります。しかし、それが起きることに法則性が無いため、練習してどうなる、という問題でもなく。
僕らは、そんな西川といっしょにやっていくことを選択しました。
もし、「あんなにセリフをつっかえる役者がいるのならもう見ない」とか「金返せ」というお客さんがいらっしゃったら、甘んじて受けよう、という覚悟もあります。
しかし、今回やっていて、「親の欲目」みたいなものかもしれませんが、セリフを噛むことよりも、西川がそこにいてタタン先生として生きていることの凄さに圧倒されています。
畑中や星野さんとの会話において、もう、タタン先生でしかない、という。
そして、そんな完全に癒えた状態でも無いのにロープウェイのシーンも初演通り、いや、それ以上に高いところからの「あれ」をやり遂げる姿には、「プロ」という言葉以上の覚悟を感じてしまいます。
自分のところの役者の、しかも30年近い付き合いのヤツのことをどうこう書くのは照れますが、世の中の脳梗塞のリハビリで辛い思いをしていらっしゃる方たち皆さんの力にもなるだろうな、とも思います。
これを見たらナマで観たくなること必至っ!! 『トリツカレ男2012』ダイジェストムービー公開っ!!星野さんも金子さんもっ!! [トリツカレ男2012]
畑中がっ!!星野真里さんがっ!!金子貴俊さんがっ!!西川がっ!!合計20人のキャスト達がっ!!
踊るっ!!跳ぶっ!!躍るっ!!飛ぶっ!!登るっ!!走るっ!!−−−−−−−−−−楽しすぎる『トリツカレ男』の、ヘビの生殺し状態なダイジェストムービーがついに完成っ!!
名古屋と大阪で、待ってますっ!!
『流星ワゴン』使用曲目と関連リンク、そして解説。 [流星ワゴン]
『流星ワゴン』使用曲目と関連リンク、そして解説
※M(music)番号とシーンタイトルの下に、「曲名/アーティスト名/アルバムタイトル」の順番で書いてあります。
※曲探しは、ディレクターの高岡厚詞氏の御協力をいただき、MySpaceなどを活用してできる限りインディーズで頑張っているアーティストの曲を採用するべく努力しております。キャラメルボックスの芝居に合いそうなアーティストや楽曲をご存知の方は、是非ご提案くださいませっ!!
M0 開演
クリスマス/amazarashi/「ワンルーム叙事詩」
公式Web http://www.amazarashi.com/
YouTube http://www.youtube.com/watch?v=jVG2qw4BkzI&feature=colike
iTunes 無し
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B0043C3EHW
※今春の『夏への扉』で『奇跡』をお借りしたamazarashi。サビがかっこいい、しかし歌詞はうぎゃっ、って感じの大好きな曲なのにちょっとしかかけられなくて無念でした……。是非、アルバムを購入して全部聴いてくださいっ!!
M1 死んじゃってもいいかなあ。
Praying/空中ループ/「空中ループ」
公式Web http://www.kuuchuuloop.net/
YouTube http://www.youtube.com/watch?v=u4j0CDDEFkk&feature=colike
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album//id469836204
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B005G0G1U2
※今春の『ヒア・カムズ・ザ・サン』で『光年ループ』をお借りした空中ループ。10月12日に1st full album「空中ループ」が発売されました。その中から、東北のみなさんのことを想って作られた曲を使わせていただきました。ラストシーン前では後半までかけました。
M2 流星ワゴンに乗る
スターライトパレード/SEKAI NO OWARI/「スターライトパレード」
公式Web http://sekainoowari.jp/
YouTube http://youtu.be/CJbI-5kkkqc
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album//id479471469
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B005S4S3Q6
※ダンスシーンの曲の選曲締め切り日までに「コレ」という曲が決まらず、2日を過ぎた、忘れもしない東北応援ツアーに発つ前日の10月3日の午前 10時52分。メールチェックをしながらかけていたラジオ(TOKYO FM)から、きらめくような曲が流れてきました。瞬時に僕の選曲アンテナに引っかかり、ググッと集中して聴いてみると、なんと歌詞までもが『流星ワゴン』にぴったりっぽいぞ、と驚愕。至急ネット検索をしてみると、当時はまだ発売さえ決定していなくてラジオでしか聴けない「第1回NHK・民放連共同ラジオキャンペーン」のキャンペーンソングだったのです。それが、この「スターライトパレード」。
新曲の発売、日本武道館公演と全国ツアーの準備で大忙しだったSEKAI NO OWARIのスタッフの方からなんとか音源を入手してあらためて聴かせていただくと、曲だけでは無く、歌詞があまりにも『流星ワゴン』にぴったりすぎて全身鳥肌が立ちました。
まさか今年の8月にメジャーデビューがしていたなんて知らずに突っ走ったら、レコード会社はなんとミスチルもいるTOY’S FACTORY!!お騒がせ致しました……。
この曲に出会えて、この曲をお借りできて、この曲を劇場で爆音で聴けて、本当に幸せです。
M3 橋本の交通事故
DAY BY DAY/i-dep/「POP OUT! WHAT!!!」
公式Web http://www.i-dep.jp/index.html
YouTube 無し
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album/pop-out!-what!!!/id328808914
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B002J7YKTY
※ナカムラヒロシさんによる、ソロユニット。クラブジャズ、というかハウス系のロックです。アルバムを通して聴くと心地よいグルーヴです。アルバム「POP OUT! WHAT!!!」は2009年発売。
M4 流星ワゴンが出発する
未来トライト/deepsea drive machine/「FORMA」
公式Web http://ddm-web.com/
YouTube 無し
iTunes 無し
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B000FDEZFI
※「柏出身の4人組バンド。デトロイトテクノ、ドラムンベース、ハードコアに影響を受け、ダンスミュージックを融合させたツインギターの織りなすミニマルサウンドはかなり中毒性有り。インスト曲の比重が高く、ヨーロッパでの評価も受けている。」……とのことですっ。アルバム全体がカッチョイイですよっ!!
M5 美代子を追う
Anxiety tomorrow/T-cophony/「Unknown coloration Original」
公式Web http://www.t-cophony.com/japanese/top.html
YouTube http://www.youtube.com/watch?v=pGPHEGeHTzA&feature=colike
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album/unknown-coloration-edition/id319376973
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B005OI5MWE
※まずはYouTubeの動画をご覧ください。なんとこの曲、一人で弾いてるんですっ!!
M6 僕は跡を継がなかったんだ
夜風の交差/屑星/「感光」
公式Web http://kuzuboshi.com/
YouTube http://www.youtube.com/watch?v=dsEWCHLOMUY&feature=colike
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album//id366264532
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B0039V393W
※広島県福山市で活動するピアノポップバンド、屑星(くずぼし)。M13にも「未完成」という曲を使わせていただいています。スリリングでせつないメロディーは、まさにキャラメルボックスのためにあったかのよう。是非アルバムで聴いていただきたいバンドです。
M7 広樹の未来
free quiet/School Food Punishment/「Prog-Roid」
公式Web http://www.sfp-sound.com/
YouTube 無し
iTunes 無し
mora win http://morawin.jp/package/80312130/ESCL03709/
歌詞 http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND114630/index.html
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B004X86P7C
※『また逢おうと竜馬は言った』で「pool」を使わせていただいた、エレクトロっぽいロックバンド、スクールフードの、珍しいダウナーな曲。じっくり歌詞を聴いていただくと、このシーンとの内面的なシンクロ具合に気付いていただけると思います。
ちなみに、ボーカル・ギターの内村友美さんは、高校時代に演劇部でキャラメルボックスの作品を上演していたそうですっ!!
M8 健太を成仏させたい
Landed/Laika Came Back/「Landed」
公式Web http://laikacameback.blogspot.com/
YouTube 公式動画は無し
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album/landed/id458287774
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B005AAPZF0
※Spiral Life、AIR、と、本当にキャラメルボックスがお世話になってきた車谷浩司さんが去年始動させたソロユニットです。ゆったりとした時の流れを感じさせるサウンドに、必ず癒されます。
M9 チュウさんと観覧車に
旅人ビギナー/シュノーケル/「SNOWKEL SNORKEL」
公式Web http://www.snowkel.com/ (2010年3月活動休止)
YouTube http://www.youtube.com/watch?v=MFxj6Ql1D4A&feature=colike
iTunes 無し
mora win http://morawin.jp/package/80312130/SECL00360/
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B000ENUWVU
※ずーーーーっと僕のストック曲だった、「旅人ビギナー」。それを今回、演出補の白井が見つけ出してきてくれて、ようやく皆さんの前にお届けすることができました。がっ……2010年3月に活動休止していたとは……。ボーカル・ギターの西村晋弥さんはソロで活動中。……と書いていたら、なんとTwitterでご本人から声をかけられてしまいましたっ!!
『TRUTH』でお世話になった河野圭さんが、メンバーと共同アレンジされているそうです。
M10 サンタクロースがやってきた
スプリングロール オブ ホワイト クリスマス イヴ(Single Mix)/ペリクリーズ/「ペリークリースマス!」
公式(?)Web http://www.caramelbox.com/pericles/index_pc.html
YouTube 無し
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album//id410194445
通販 http://www.bidders.co.jp/pitem/149309624
※昨冬の『サンタクロースが歌ってくれた』用に、劇団内ユニット「ペリクリーズ」(左東広之+多田直人)が作った曲を今年も。これから毎年クリスマス公演のどこかで使い続けようと画策中です。
M11 葬式帰りの美代子
Anxiety tomorrow/T-cophony/「Unknown coloration Original」
※M5と同じ
M12 「もともとは赤の他人」
Landed/Laika Came Back/「Landed」
※M8と同じ
M13 チュウさんがワゴンに
未完成/屑星/「感光」
公式Web http://kuzuboshi.com/
YouTube 公式動画は無し
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album//id366264532
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B0039V393W
M14 どこかの公園、丘の上に白い東屋
Serendipity/goche'/「EVA」
公式ブログ http://gochediary.seesaa.net/
MySpace http://www.myspace.com/gocheofficial
YouTube 無し
iTunes 無し
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B000C3XNVI
※仙台で活動する4人組バンド。震災で被災したメンバーもいる中、9月に新譜を発表。
iTunesで2011.09.07から配信されているアルバム「Synchronicity」の売上げは、被災地への義援金に充てられるとのことです。
http://itunes.apple.com/jp/album/synchronicity/id462801020
M15 受験させて
ふりむかないで/巨勢典子/「ララバイ」
公式Web http://www.geocities.jp/sitekosenori/
YouTube 無し
iTunes 無し
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B000BRJGKC
※長年選曲をしてきて、ピアノソロの曲は山のように聴いてきた中で、日本人のピアニストによるオリジナル楽曲にはなかなかキャラメルボックスに合うものが無く、木原健太郎さんの曲ばかり使わせていただいてきたのですが、ついに出会いました、巨勢典子さん。センチメンタル過ぎず、技巧に走らず、「隙間」のあるピアノソロ曲は、どれもこれもグッときてしまいます。
M16 美代子に全てを話す
free quiet/School Food Punishment/「Prog-Roid」
※M7と同じ
M17 ヒロを抱きしめる/美代子と話し合う
smile/onsa/「アルバム」
公式Web http://www.onsanet.com/ (2009年末活動休止)
YouTube 無し
iTunes 無し
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B000LC541C
※どうしてもこのシーンにしっくりする曲が見つからず、ギリギリ最後まで探していて、自分のストックの随分前のところに遡って、久し振りにこの曲と再会しました。これだよこれっ!!……と検索してみると……あぁ……2009年に活動休止……。使うのが遅かった……。
M18 公園で、母に会う
3407/BUDDHISTSON/「SLOW DANCE - wisely and slow, they stumble that dance fast -」
公式Web http://www.buddhistson.com/
YouTube 無し
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album/slowdance-wisely-slow-they/id300208450
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B001J5XMF0
※キャラメルボックスのサントラでは、常連さんのBUDDHISTSON(ブディストサン)。このシーンの曲もなかなか見つからず、通し稽古で会った音響の早川さんに「ほんとはこのシーン、BUDDHISTSONみたいな曲が欲しいんですけど使い切っちゃったんですよねぇ……」と言ったその晩、「ほんとに使い切ったっけ?」と聴き直してみて、使い忘れていたこの曲を発見しましたっ!!やっぱ、ブディ、好きだぁっ……。
M19 健太の覚悟
Relight/androp/「relight」
公式Web http://www.androp.jp/
YouTube 【アルバム全曲紹介】 http://www.youtube.com/watch?v=CUDDoNOkaUw&feature=colike
iTunes http://itunes.apple.com/jp/album/relight/id462952165
Amazon http://www.amazon.co.jp/dp/B005804MMY
9月21日リリースのファーストフルアルバム「relight」のエンディング曲がこれっ!!もう、アルバム全体に熱が籠もりまくっていて、久々に僕の中で「来た」感じのバンドですっ!!YouTubeの「アルバム全曲紹介」のムービーを見ていると、気がついたらAmazonのリンクをクリックしてしまうのは間違いなしっ!!
サビの「ウーラーラー」という部分が、戻ってきてしまった健太の気持ちとシンクロしてぐぐぐっときてしまいますねぇ……。
M20 父との別れ/ワゴンから降りる
Praying/空中ループ/「空中ループ」
※M1と同じ
M21 私はもう、その車に乗った。
スターライトパレード/SEKAI NO OWARI/「スターライトパレード」
※M2と同じ
『降りそそぐ百万粒の雨さえも』、ダイジェストムービー。 [降りそそぐ百万粒の雨さえも]
ネタバレブログの写真を選んでいて、ふと思い出しました。
みなさん、このダイジェストムービーはご覧になりましたかっ?!
東京公演の場当たりとゲネプロのダイジェスト版です。
見事に「キモ」の部分のネタバレを外したギリギリの映像ですっ!!
まずはどうぞっ!!
【ネタバレ】『降りそそぐ百万粒の雨さえも』、カッコイイと評判の三浦剛の土方歳三。 [降りそそぐ百万粒の雨さえも]
『降りそそぐ百万粒の雨さえも』は、江戸時代から明治時代に移り変わる激動の時期を舞台にした物語です。
そのため、新選組の隊士たちもお馴染みのダンダラ模様の隊服から和服へ、そして戦闘時には洋装へと変化していった、という史実に沿って着替えていきます。
……ただ、三鷹銀太夫は「段階を踏んで」おりますが、実際、そういう武士も多かったようです。
『降りそそぐ百万粒の雨さえも』使用曲目リスト [降りそそぐ百万粒の雨さえも]
本日初日段階の、『降りそそぐ百万粒の雨さえも』の使用曲目リストをお届けします。
Twitterから来た方が見たくないのについ見てしまわないように、曲目リストはあえて画像ファイルでアップいたします。
使用曲目解説
キャラメルボックス音楽監督・製作総指揮 加藤昌史
全曲ZABADAKでお届けした『風を継ぐ者』シリーズの完結編、お楽しみいただけましたでしょうか。
『風を継ぐ者』『裏切り御免!』そして『降りそそぐ百万粒の雨さえも』。『裏切り御免!』を上演した2002年の時は、まだ同じ登場人物で別な芝居を、という「シリーズもの」が『銀河旋律』と『広くてすてきな宇宙じゃないか』しかなかったのですが、その後『クロノス・ジョウンターの伝説』シリーズができまして、過去の芝居で使った曲をあえてまた使う、という手法を編み出しました。
これは決して手抜きとかではなく、映画やテレビドラマでもわざと使う手段です。
今回の音楽を決めていく段階で、僕がまず考えたのが『風を継ぐ者』の戦闘シーンで使っていた『POLAND』をご本人の手でリニューアルしてみていただきたい、ということ。
キッカケとしては、まず昔僕が大好きだったバンド「BOWWOW」の初期の曲を、山本恭司さんが最近になってセルフカヴァーしていて、これが、「カヴァー」というよりも、最初に録音した当時にこういう風に仕上げたかったのに録音機材などの問題でできなかったことを今だからできる最大の努力をして作り直した、という印象のもので、めちゃめちゃカッコよかったのです。それがまず一つ。
もう一つは、『風を継ぐ者』以降、何度となくZABADAKのライブにお伺いしてきている中で、ソロになる前の曲を吉良さんが一人で演奏していたり、アレンジを変えて演奏していたりするのを耳にしているうちに、それをレコーディングしたバージョンで聴いてみたい、と思うようになった、というのが一つ。
そして、最終的には、2009年に『風を継ぐ者』を再々演した時にほとんど選曲を変えずに上演したわけですが、最新のデジタル技術を使って音を作るようになってきた最近の音からすると若干物足りないぞ、と感じてしまったのが一つ。
実際、『風を継ぐ者』初演以降、『ブリザード・ミュージック』を含めて何度もZABADAKの吉良さんとはスタジオで仕事してきており、今の吉良さんが『POLAND』を作り直したら凄いことになるぞ、と感じていたのでした。
それに加えて、吉良さんから『人形たちの永い午睡』(4thアルバム『飛行夢』(1989年)収録)の、最近のライブでやっているバージョンが戦闘シーンに使えるのでは、という提案をいただき、それも録ることに。
そして、土方が涙を飲んで沖田を追い返すシーンにかかった『小さい宇宙』(6thアルバム『私は羊』(1991年)収録)も、当初稽古ではオリジナルバージョンを使っていたのですがどうしても合わないのでこれもライブバージョンにしていただくことになりました。
というような、旧作をリニューアルさせる、という試みとともに、僕の中でのこだわりがもう一つありました。
実は、吉良さんと出会ったのが1995年。その2年前にソロになったばかりでした。なので、僕は最初の頃はなんとなく「ソロになってからのZABADAK」と「上野洋子さんとやっていた初期ZABADAK」を分けて考えておりまして、いつか、全曲初期ZABADAKの芝居をやろう、と考えておりました。
が、今回の選曲を進めていく中で、はたとそのこだわりを捨てよう、という気になりました。
初期ZABADAKの楽曲は、僕にとってある意味「切り札」でした。しかし、3月11日の巨大地震の後「もう、自分も、この国も、この街も、いつどうなるかわからない。ならば、出し惜しみとかをやめよう、どんどん切り札を切っていこう、今できる全力を毎日注ぎ込んでいこう」と決意したのです。
そんな思いで曲を探しているうちに、いつかエンディングに使いたいと思っていた『遠い音楽』や『小さい宇宙』を今回投入してしまおう、と決めたのです。
ちょうどZABADAKが結成25周年。今回のサントラが「加藤昌史的ZABADAKベスト」になるようにできたら、それはそれでお祝いにならないかな、とも考えました。
折しも、地震前に録音され、地震直後に発売されたニューアルバム『ひと』が出たばかり。「この曲を聴いても泣かないようになれれば僕に明日が来る」と思った『冷たい夜に』を、なんとしてでも今回使わせていただき、たくさんの方に聴いていただくのも僕の仕事ではないかと思いました。
そして、新曲2曲。このシーンで使う、と決まっていたわけではないのに土方が怒髪天を衝いて刀を抜いた瞬間にかかる『激しい雨』。イントロのギターのスライドが、まさに土方の怒りを表現しているかのようです。そしてエンディングの『降りそそぐ百万粒の雨さえも』。数々の名曲を生み出してこられたZABADAKの歴史に、また新しいページを刻んでしまった、と思いました。
左東広之演じる立川迅助、負けるとわかっていても立ち向かう土方歳三、勝てないとわかっていても敵に立ち向かった三鷹銀太夫。彼らの勇気が、音楽監督としての僕にも「もっとやれ」と風を送ってくれたのかもしれません。
[2011.8.6.初日に katoh Masafumi]
【ネタバレ】『ヒア・カムズ・ザ・サン』のエンディング曲について。 [ハーフタイムシアター2011]
しかしその曲は、あまりにも有名なアーティストの、あまりにも有名なシングルカットまでされた曲。基本的にキャラメルボックスでは、特にそう決めているわけではないのですが、僕が密かに見つけてきたあまり知られていない楽曲を使うのが基本で、有名なアーティストの曲をエンディングに持ってきた、というのは、オリジナル路線になってきてからは『カレッジ・オブ・ザ・ウインド』で小田和正さんの『風のように』を使わせていただいたときくらいなものなのではないかと思います。
なので、その曲が浮かんでしまったものの、他にナイスな曲は無いだろうか、と探し続けてみたのですが、敵が強力すぎて断念せざるをえませんでした。
それが、スピッツの『ホタル』。
『ヒア・カムズ・ザ・サン』の終演後のロビーにいると、目を真っ赤にしたお客さんから「ひきょーものっ!!」とか言われたり、「掟破りだっ!!」と説教されたり(←うれしそうに、ですけど)、この曲を大切に思っている人がキャラメルボックスのお客さんにもとても多いんだなぁ、と実感しております。
あと、「てっきり加藤さんはスピッツはきらいなのかと思ってました」などと言われますが、そんなことは決してありません。それどころか、アルバムは全部持ってますし、新しいのが出るたびにちゃんと買っておりまして、きちんとフォローしております。
スピッツがメジャーデビューして数年目に『ロビンソン』が発売された頃、ちょうど僕はSPIRAL LIFEが大のお気に入りだったのですが、この曲にはやられました。絶対使わせてもらおう、と思っていたら、あっという間に大ヒット……。あっさりあきらめてしまいました……。
その後、人気が落ちついたら声をかけさせていただこうかと思っていたら、スピッツは次々と大ヒットを飛ばし続けてしまい、落ちつくどころか、ミスチルとともに不動の人気バンドになってしまいました……。
と思ったら、なんと2000年に、マイフェバリット・アーティストだったSPIRAL LIFEの片方である石田ショーキチさんがスピッツのアルバムをプロデュースした、とのこと。それが、この『ホタル』が入っている『ハヤブサ』でした。
大好きなアーティスト同士の組み合わせ。それが僕のツボに入らないわけはなく、もう、『ハヤブサ』は僕の中の魂の一枚になりました。が、キャラメルボックスで使わせていただこう、なんて恐れ多いことは全く考えもしておりませんでした。
それから11年。
選曲担当として、何万曲というストックがある中で、まさか、台本を読んでいる最中に唐突に降ってくるとは。
しかも、それを芝居に合わせてみたら、暗転になったところでちゃんとあの歌詞が来るとは。
偶然がこれだけ重なるということは、この芝居がこの曲を待っていた、ということなのだと思います。
もう、あらためて歌詞を読みながら聴いてみてください。
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND12333/index.html
ハリーの気持ちそのまま。書き下ろし曲のようです。
ちなみに、『ヒア・カムズ・ザ・サン』のサウンドトラックCDには『ホタル』は入っていません。これは、今まで一貫して、スピッツの楽曲は他の会社には貸さないという姿勢を貫いてきたからです。もちろん、門前払いではなくて、関係者のみなさんがいろいろと手を尽くしてくださった結果、今回だけ例外を作るわけにはいかなかった、ということです。
まぁ、おそらくどんな地方のCDショップにも、現在『ホタル』が収録されているアルバム「CYCLE HIT1997-2005Spitz Complete Single Collection」は売っていると思いますし、iTunesで一曲だけダウンロードすることもできますので是非あらためて聴いてみてください。
http://itunes.apple.com/jp/album/cycle-hit1997-2005spitz-complete/id129767347
是非スピッツの皆さんにもご覧いただきたいと思うのですが、マサムネさんが体調を崩されているとのこと。心配です。
いつかご覧いただけることを楽しみにしております。