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『エンジェル・イヤーズ・ストーリー』、ネタバレしますっ!! [エンジェル・イヤーズ・ストーリー]

 『エンジェル・イヤーズ・ストーリー』。
 名古屋で初日を開けて、あっという間の3日間が終わり、ついに神戸初日を迎えました。
 
 名古屋公演をやってみて、お客さんから言われたことを総合すると。
 
 (1)チラシを見たイメージで、去年の『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』みたいなテイストのほんわかする父娘モノだと思いこんでいたら、全然違った。娘(渡邊安理)のお父さん(西川浩幸)にぶつける言葉があまりにもキツくて胸が痛んだ。
 
 (2)西川が演じる主人公の「他人の心の声が聞こえてしまう」というのを、『嵐になるまで待って』みたいに音響でやるのかと思っていたら、なんと「一人二役」(一人の役者が二つの役を演じる)ではなく、「二人一役」(心の声を、別な役者が演じる)だったことにまずビックリして、それが無茶苦茶おもしろかった。
 
 (3)まさか、『僕の大好きなペリクリーズ』や『光の帝国』の前説に出てきた、左東広之と多田直人のデュオ「ペリクリーズ」が本編に出てきて、しかもかなり良い歌を歌っていて、そのうえかなりコーラスが上手なのに驚愕した。
 
 (4)西川演じる主人公が早い段階から疑っていた「あの事実」は、キャラメルボックスだったら、「実は違った」になるかと思っていたら本当だったことに驚いた。
 
 (5)菅野良一・三浦剛・阿部丈二が演じる学習塾を運営する兄弟のうち、末弟がろう者(耳が聞こえない人)で、兄弟皆が手話で自然に会話をしていて、阿部演じる末弟に恋心を抱く渡邊安理も手話で会話をしていることにまず驚き、「心の声が聞こえる」という主人公は手話がわからなくても彼の思っていることがわかってしまう、というのが、凄かった。
 
 (6)音楽が、オープニングがSPANK PAGE、アクション(?)シーンが堂島孝平さんの書き下ろし曲、エンディングが石田ショーキチさんの新曲、という、キャラメルボックス王道なパターンのはずなのに、ものすごく新しく感じた。
 
 (7)終ってみて、「ものすごく幸せになった人」がいないにも関わらず、みんながちょっとずつだけ幸せになっている、ということに気づいて、自分はとっても幸せな気持ちになった。
 
 (8)キャラメルボックスのクリスマス公演で、こういうラストシーンは初めて見た。
 
 ……てなところでしょうか。
 なんか、創っている側の僕が書くのは照れてしまうのですが……。
 
 物凄くネタバレを書いたように見えますが、これだけ知っていてから観ていただいても、十二分に楽しんでいただける芝居になっています。
 
 というのも、まず(2)の「二人一役」を取ってみますと。

 今回の芝居は、チラシのキャストをご覧いただくとわかるのですが、ゲスト無しで、全員劇団員。そして、最も新しいメンバーで、2005年入団の小林千恵。その次に新しい多田直人は秋に『さよならノーチラス号』で、渡邊安理は昨年の『嵐になるまで待って』で堂々たる主役、阿部丈二は春の『光の帝国』の演技で階段を一歩上がったところ、その次の左東広之は夏の『風を継ぐ者』で主演、と、着々と力を付けて自信も付けてきたメンバーが「若手」レベルで出演。8年目の三浦剛、7年目の筒井俊作も重要な役回りを積み重ねて来たところ。
 
 そこに、大森美紀子、西川浩幸、坂口理恵、菅野良一、前田綾、細見大輔、岡内美喜子……そうそうたる数々の作品で主役を張ってきたメンバーがぞろりと魅力的な役どころを演じつつ、逆に、中堅・若手の「心の声」を演じるのですっ!!
 
 これが成井豊の戦略だと僕は思っているのです。
 
 不器用な若者たち(主人公の娘・息子、息子の友人、娘が憧れている人、などなど)の心の声を、ベテランが、ちゃんと自分の役として演じて声を発する。
 これが、この作品の面白さを倍増させている「仕掛け」なのです。
 
 本当なら心の声が聞こえる西川と2人、の合計3人のはずの舞台に、心の声の役者2人が加わって5人いるわけで。
 シーンによっては、西川以外に4人出ている上に心の声が4人の合計9人で、8人が大騒ぎして西川が倒れそうになったり。

HE7G3237cs.jpg


 
 圧巻なのは、息子がやっているフォークデュオの初ソロライブのシーン。200人のお客さんで満員のライブハウスで、400人分の心の声と叫びを西川が受けとめ、そして…………というシーンっ!!
 

HE7G3310cs.jpg


 実は僕、このシーンが一番泣けちゃうのです……。
 皆さんはどうでしょうか……。
 
 というわけで、まだまだ始まったばかりの『エンジェル・イヤーズ・ストーリー』。
 今回ほど、役者に自由裁量で「しゃべる」ことが許されている芝居は初めてかもしれません。
 名古屋で随所に散りばめられていた「ご当地ネタ」は、当然、神戸では全部変わります。
 そして、西川の「つぶやきネタ」は、不定期更新。
 
 毎日劇場にいる僕でさえ、一瞬たりとも油断できない、毎日毎ステージ目を離せない芝居になってしまいました。
 
 ……ネタバレブログ、書き始めたら止まらなくなりそうだなぁ、と思っていたら、「現時点で書けること」でさえ、こんなにありました……。
 今回は早め早めで、着々と更新していこうと思います。
 
 是非、僕が全部バラしちゃう前に、早めにご来場くださいっ!!
 神戸公演、東京公演ともに、いつものように平日ならどっさりお席があります。ぴあのハーフプライス・チケットも、毎日どっさり出ると思います。
 
 生の演劇だからこその、騒がしくも楽しすぎてキリキリしながらドキドキして、終ったときには明日が楽しみになっている、そんな感じの舞台ですっ!!
 是非、劇場でっ!!
 
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 今回から、So-net会員の方なら誰でも無料で入れる「CARAMELBOX PRESS」の会員の方に、僕が撮影した特大サイズの舞台写真もご提供していくシステムができました(So-netさんが作ってくださいました)。
 
 今までより断然大きい、横幅1100ピクセル。
 ハイビジョンっ?!
 ご希望があれば、もっとデカいのもアップできますっ!!
 今までは容量のこともあって、あまり大きな画像は載せられなかったのですが、これからは画像サイズ・クォリティ、上限知らずっ!!うっしっしっしっしっしっしっ!!
 ……でも、So-net接続会員じゃない方には、So-netに入会していただく必要があります……。まぁ、そのあたりはバーターと申しますか、利害関係が一致したと申しますか、なので、一番安いコースでもかまいませんので、メアドを一つ増やそうかな、みたいな感じで是非So-netへっ!!
 入会方法などは、リニューアルされた「CARAMELBOX PRESS」へっ!!

PRESS.jpg

http://www.press-caramelbox.com/


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コメント 6

まどか

あの・・・。西川さんのお名前がふたつ並んでいるんですが・・・。
そこが1番笑えました。(←読み方が間違っている)
面白いのでこのままで通してほしいです。(笑)

by まどか (2009-11-15 09:32) 

ネタバレ(CARAMELBOX)

……まどかさん……何の話ですか……?!(←やっぱり直したらしい)
by ネタバレ(CARAMELBOX) (2009-11-16 01:35) 

まどか

・・・西川さんの分身の術が消えている・・・。
・・・・・・と、思うのは私の気のせいですね、きっと。(笑)
by まどか (2009-11-19 00:09) 

夏音

神戸公演観ました。
二人一役は本当におもしろかったです。
個人的に、今回は阿部さんがすごくよかったと思います。銀太夫とは全く違う魅力が出てて、惚れそうになりました(いやいやまじめに)。阿部さんは来夏のまた逢おうと~で主役をやらないかな、とひそかに期待しています(わくわく)
スケジュールの都合で一度しか観られなかったのが悔しいです。
東京公演、皆様お体に気をつけて頑張ってください!
関西から応援しています(・ω・)/~~~
by 夏音 (2009-11-23 21:53) 

優

きょう、やっとサンシャイン劇場でみました。

「二人一役」は、鳥肌が立ちました。
ふたりなのに、心を合わせて一人として表現する……
キャラメルボックスのチームワークの集大成という気がしました。
by 優 (2009-12-05 20:54) 

けこ

4番…真面目に驚きました。かなり疑って見てたので…。
by けこ (2009-12-09 07:54) 

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