最高の瞬間。 [風を継ぐ者2009]
エンディング曲がかかる寸前の大内のセリフ。
「おーい迅助ぇぇぇぇぇっ!! ……おぉーーーーーーいっ!!」。
この、「……」の部分の一瞬のタメで、場内はキュッと一つになります。
そして、次の「おぉーーーいっ!!」という本当に嬉しそうな叫び声で、僕は爆涙。
このセリフに、こんなに思いが込められるとは、そしてその思いをこんなに届けてくれるとは。
凄い役者になっちゃったもんですね、大内厚雄。
どんだけ跳んでるんだっ?! [風を継ぐ者2009]
史上最強の兵庫が、来る!! [風を継ぐ者2009]
長州の間者であることを疑われる架空の新選組隊士「小金井兵庫」。
初演は西川浩幸、再演は岡田達也、そして今回は大内厚雄。
僕の中では、西川も達也も、「間者っぽい」感じがあんまりしていなかったのですね。二人とも基本的に普段がいい人なので。
がっ。
いや、大内が悪い人、ってわけじゃなくって、大内が持つ理性的な部分とか、理系な部分とか、神経質な部分とか、自分を必要以上に鍛えに鍛えあげるストイックな部分とかが、「まさに兵庫」だったな、と思ったのです。
しかも、過去の時代劇にほとんど出ている大内ですから、剣が沖田にも勝ちそうな勢いなんですわ。それも、台本通り。
しかし今回の長州は…………!!
ではまたっ!!
史上最弱の迅助が、来る!! [風を継ぐ者2009]
3回目の上演、『風を継ぐ者』。
初演の主人公「迅助」は、実際にフルマラソンを走りきった男・今井義博(退団)に当てて書かれたのですが、再演では細見大輔が汗だくで演じました。
そして今回は、入団当時、あまりにも地味なので「ジミー」と呼ばれていた、小心者だのしょーもないことばっかり気にしすぎだの、もー、先輩達からさんざんこきおろされてきた左東広之が迅助。
まだ通し稽古もやっていないのですが、断言します。
こんなに応援したくなる、はらはらして見ていられなくなる、そしていっしょに走ってあげたくなる主人公なんて、初めてかもしれません。
もちろん、役者は「役を演じている」わけですが、それ以上に、演じる人間そのものが生まれつき持っている生真面目さや、人からの好かれ具合、というものが大きく役の人にも影響するのです。
シーンごとの練習で、コツコツとがんばっている左東迅助を見ていたら、いてもたってもいられなくなりました。
ものすごいヘタレ。ものすごい不器用さ。そういうところが、たまらなく愛おしい。
ご期待いただいて、大丈夫です。