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麻由子ちゃんのカーテンコール。 [雨と夢のあとに]

 東京公演が終わりました。
 前半で、7時ジャストに開演しても終演時間がスレスレのギリギリだった頃、麻由子ちゃんが「私もお客さんにご挨拶したいです……」と寂しそうに呟いていたのを思い出します。
 それを聞いて、大急ぎで僕が「等身大麻由ちゃん」の制作を思いつき、成井さんに提案、撮った写真を引き伸ばしてプリントアウトしてパネルに張って切り抜く、というのをネビュラプロジェクトのメンバーがやってくれました。
 それから、もしかすると麻由子ちゃんもちょっと安心したのかもしれません。
 平日や土日のお昼の回は、何度コールで呼んでいただいても麻由子ちゃんは最後まで舞台に立ち続けることが出来たわけですが、最初の「麻由子ちゃんが最後までいるカーテンコール」の時、僕は不用意にも「この回は2回目も3回目も麻由子ちゃんがいるんだ」ということをすっかり忘れてサンシャイン劇場の1番扉に立っていました。
 1回目のご挨拶が終わり、2回目に出てくるとき、いつもなら麻由子ちゃんがいなくてセンターは達也なわけですが、なんとそこに麻由子ちゃんがいっしょに出てきました。
 頭ではわかっていた光景でしたが、その瞬間、なんなんだかわかりませんがこみ上げるものがありました。というか、気がついたら涙が飛び出していました。
 長い腕をすらっと伸ばして客席を指し示し、三方礼をする麻由子ちゃん。
 ぎこちないけど、でも、「主役」の仕事をきちっとこなす初舞台の12歳。
 なんというオーラなのでしょう。
 
 ここで気づくべきだったんです、自分の勝手な先入観や偏見に。
 年齢とか、職業とか、そんなものは関係ない。才能っていうのは、そんな自分のたった40数年の人生の経験では計り知れないところにちゃんと眠っていて、ちょっと刺激を加えれば突然花開くこともあるのだ、ということ。
 あのまばゆいばかりのスポットライトに照らされる、手を伸ばせば届くところでありながら、しかし僕らのような凡人には近づくことが許されない、「舞台」という名の聖域に、あたかもそこにいることを運命づけられたかのような自然さで立ち続ける選ばれた人たち。
 そんな人たちの中に立つ、「12歳」。
 
 その、凝り固まった常識を遙かに超えた存在に、まず驚かされ、次に圧倒されていく自分。
 とにかく、驚愕と発見の日々でした。
 21年も劇団をやってきて、まさか、まだ新しい発見に出会えるとは、思ってもみませんでした。が、しかし、まだまだいくらでも、僕らの知らない世界があり、未知の才能との出会いがあり得るのだ、ということを思い知らされました。
 
 さぁて、大阪です。
 もし万が一空席があったりしたら、本当にもったいない。空いている席があったら、全部僕が座りたいくらいもったいない。そして、こんな素敵な時間と空間を経験できない人がいらっしゃる、ということがこれまたもったいない。
 ちょっと無理すれば来られそうな方は、是非ともちょっとだけ無理をしてでもシアターBRAVA!に足を運んでください。


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があ

 さぁ、大阪公演や!!
 ネタバレブログとpodcastを見て聴いて、気持ちは盛り上がりに盛り上がってます。

>加藤さん
 「嫌われ者のすすめ」第65回  加藤家の子守唄で書かれていた子育て支援策……今、仕事で本気で考えています。たばこ1000円は取れないですが、500円くらいは請求できるくらいの施策を提案したいです。
 ……って、加藤さん住んでない自治体だしなぁ。
by があ (2006-08-21 02:02) 

まゆき

ちょっと無理してでも来られそうな人は・・・って、、、(笑)
だいぶ無理をしなければ行けないし、その前に親の了解が必要な学生の身分なので、大阪までは行けません。
みなさぁ〜ん!!応援してますからねー!!!

土曜日の夜公演を観ました。
まゅちゃんが1回目のカーテンコールしか出てこないということをすっかり忘れていました。
「あれっ?まゅちゃんは??」ってなりましたから(笑)
「等身大まゅちゃん」は、やっぱり「生まゅちゃん」には勝てません。
もっともっと、目に焼き付けておくんだった!!!
そんな風に思いました。

東京よりもあつ〜いあつ〜い大阪での、あつ〜いあつ〜い雨夢公演!!!
皆さんが最後まで無事でいられますように・・・☆
by まゆき (2006-08-21 09:38) 

峻

東京公演お疲れさまでした。
家族3人で2回、私一人で1回、そして雨と同じ小6の一人娘と2回・・・
結局5回 “しか” 観られませんでした。長くキャラメルの舞台に通って
いますが、今回はお世辞抜きに凄い。
大阪であと1回、相当「無理」をしたい気持ちでいます。

「凡人」なんて謙遜されていますが、みんな分かっていますよ。
「驚愕と発見の日々」は決して偶然では訪れない。多くの人たちの
思いと熱意と努力が集まって訪れる必然であることを。

そして、眩い「才能」を見出して開花させることができる人もまた、
素晴らしい才能の持ち主であることを。
by 峻 (2006-08-22 08:59) 

まさくん

こんにちは~~。
東京公演3回行きましたが、大阪にも行くことにしました。

札幌からなので、けっこうきついのですが…
by まさくん (2006-08-22 21:54) 

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