細見の、竹。 [俺たちは志士じゃない]
「酔っぱらいで頼りない」という設定が松吉に移り、今回の竹次郎は松に頼られるしっかり者になっているようです。
稽古の段階で、何度も見ているわけですが、見るごとに浅野さんの松吉が変貌を遂げていきました。そして、細見の竹次郎は、なんと、松吉の変化を受け止めて、柔軟に変わっていっていたのです。
これには、ちょっと驚いて直接細見に聞きに行ってしまったくらいでした。
特別なキャラクターを設定するのではなく、あえて細見大輔として浅野雅博をどう受け止めていくのか。浅野さんがピッチャーだとすると、どんなところに飛んでくる球でも受け止めるキャッチャーのような存在感を、おそらく細見は目指したのではないかと思うのです。
おそらく、今回の一連の事件で、最も変わらなかったのが松吉。最も変わったのが竹次郎。一時は確実に「死」を覚悟した(させられた)ことで、竹の中の何かが変わったのでしょう。そして、細見も、毎日変わっています。
過去の上演では、「土の心」のことを語るシーンが、竹の見せ場だったように思います。
でも、今回僕の心に届いたのは、正月の講話のシーン。
「美咲さん、なんで長州のことばかり〜」のくだり。
正直な男だからこそ、普通に気づいてしまった真実。
僕らもそうですが、自分のことをちゃんと語ろうとしているつもりが、知らないうちに人のせいにしていたり、国のせいにしていたり、ということがあります。まず、自分を見つめよう、自分を知り、自分ができることを見つけ、まず自分から変わっていこう、自分が努力して勉強して自分を変えることで、それが周りに伝わっていけばいい。無理に、伝える努力をする必要はない。まずすべきことは、自分が変わること。
そんなメッセージを、細見の竹次郎から受け取ってしまったのです。
そんな竹次郎の一番好きなシーンは、ラスト前。
土蔵の前に座っている竹次郎は、明らかに志士の顔をしていました。
最後の写真の竹は、本当にかっこいいです。
迷いのない、顔をしてます。
細見さんの時代劇は、迅助だったんですけど
この、竹もいい。
by (2006-07-02 00:43)
最後の写真のときに言った「いい天気だな。」の一言が何よりも好きですw
なんでもない一言だけど、いろんなことが含まれているように感じました。
そして、加藤さんの文章。
私も14のときに同じことを思っていたこと、すっかり忘れていました。。。
五年たって気持ちが薄れ、最近あせっていたのかどこか苦しいのが続いていたのですが、思い出せてよかったです。
ありがとうございましたm(_ _)m
by しぐれ (2006-07-02 02:07)
細見さんって
どんどんステキになっていらっしゃいますよね。
「スキップ」あたりから目が離せなくなってきているのですが……
今回も、ほぇ~っとした竹次郎の顔が、ラストで志士の顔に。
「かっこいいよなぁ~~」と見とれていました。
あ、でも、『俺志士』で
私的、もっとも「かっこいいよなぁ~~」賞は、坂口さんです。
by 優 (2006-07-02 10:30)
細見さん演じる竹次郎の表情が、ラストのシーンで武士らしい潔い表情に変わっていたのには驚きました。そして感動しました。
そして加藤さんの、竹から受け取ったメッセージにも感動し、教えられました。
ありがとうございます、細見さん、加藤さん。
by 春夜 (2006-07-05 21:33)